総合ネット通販!タンタンショップのECサイトリニューアルの裏側 〜延長保証サービス導入の狙いとは!?〜
老舗の家電ECサイトのタンタンショップ様は、ECサイトのリニューアルを実施しており、サイトを新しくオープンします。リニューアルの目的は、お客様に対してサイト上での深い付加価値を提供することです。
その戦略の一環として、タンタンショップ様は延長保証サービスの「proteger(プロテジャー)」を導入するに至りました。
今回は、2023年11月22日にネット担当者フォーラム2023秋で行われた、以下のタンタンショップ様との対談を元にして、記事を作成しました。
「総合ネット通販!タンタンショップのECサイトリニューアルの裏側 〜延長保証サービス導入の狙いとは!?〜」
この記事では、延長保証サービス「proteger」を導入した背景に迫りますので、家電業界や延長保証サービスにご興味のある方は、ぜひ最後までご覧ください。
◆対談者の紹介
タンタンコーポレーション株式会社 代表取締役副社長:丹澤 直人
株式会社Kiva 代表取締役社長:野尻 航太
家電ECサイト「タンタンショップ」に延長保証サービスを導入した目的とは?
野尻:早速ですが、今回タンタンショップに弊社の延長保証サービスを導入するに至った背景について、まずはお話しいただけますか?
丹澤様:弊社のタンタンショップは、2000年からネットショップを運営しており、自社開発によるフルスクラッチのECサイトを構築しました。
楽天市場やAmazonと同時期にオンラインショップを開設し、ネット業界の老舗として多くのメーカーとの協力関係を築いてきました。
現在では、100万点以上の商品を取り扱う大規模なネットショップに成長していますが、20年以上にわたるシステムの保守開発の積み重ねによりシステムが老朽化したため、実施したい施策ができなかったり、他のサービスとのAPI連携に時間がかかるというビジネスのスピード感に大きな課題がありました。
このような背景から、タンタンショップの全面リニューアルを決定したのです。
企業努力の激安商品が「偽物に見えてしまう!」その理由とは?
野尻:家電業界は競争の激しい業界です。昔と今の違いなど、時代や歴史の変遷で特徴的なことはありますか?
丹澤様:弊社は元々「激安家電のタンタンショップ」としてスタートし、長年にわたり価格競争を繰り広げてきました。
しかし、時代の変化に伴い、私たちは価格以上の「安心」を提供する必要性を感じています。具体的な変化について「単品買い」からの脱却に焦点を当ててお話しします。
以前は激安価格を売りにして家電商品を販売していましたが、若いお客様からこんな声を聞きました。
お客様「こんなに安いと、もしかして偽物ではないの?」
顧客がサイトで商品の購入を検討する際に、このような不安が頭をよぎることがわかりました。「安さ」が必ずしも「安心感」につながっていないという事実には、非常に驚かされました。
そこで、弊社はサイト上で安心をどう表現するかという課題を抱えていました。多くの顧客は単品での商品購入が多いのですが、私たちの強みでもある「様々なメーカーとの関係」を活かして、タンタンショップらしい総合的な提案をサイトで実現できないかと考えています。
タンタンショップの4つのリニューアルの特徴とは?
野尻:ではここから、実際にリニューアルの裏側について丹澤様にお聞きしたいと思います。タンタンショップのリニューアルの特徴についてお話ください。
丹澤様:それでは、今回のタンタンショップリニューアルの4つの特徴を解説します。
◆タンタンショップのリニューアルの4つの特徴
特徴1. サイト検索機能
特徴2. オプション
特徴3. バリエーション
特徴4. 延長保証サービス
まず、1番目の特徴である「サイト検索機能」についてです。ユニバーサルナレッジ社のユニサーチという検索エンジンを導入しました。
この新しい検索システムにより、数百万点に及ぶ商品群の中から、お客様が求める商品を迅速かつ正確に見つけ出すのが目的です。
そして特徴2~3については、1年前くらいから話題になっている「楽天SKUプロジェクト※」に代表されるように、商品が選びやすく顧客に対して個別にカスタマイズされた状態を提供することを目指しています。
具体的には、オプションやカラー・サイズのバリエーション、延長保証サービスなどを、単品買いではなく、お客様が求める状態にカスタムオーダーできるように、商品に付加価値をつけて販売することを目指しました。
※「楽天SKUプロジェクト」とは、楽天市場において商品ページ単位で保存していた商品データを、SKU単位で保存する仕様に変更するプロジェクトのこと
また特徴4の延長保証サービスに関しては、家電商品だけではなく、家具にも延長保証サービスを付加価値として提供できることを含め、タンタンショップで扱う多くの商品を安心して購入いただけることを目標としており、どんな状態で商品を購入していただいても、安心を提供できる点はメリットとして、protegerを導入したのは非常に大きかったのではないかと考えています。
家電だけではなく、家具に対しても延長保証サービスを導入!
野尻:私の経験ですが、エアコンを買った時に、別途設置業者を探すのが大変だった思い出があります。このような設置において意識されている点は、どのような点でしょうか?
丹澤様:弊社はエアコンが強みでもあり、そしてエアコン設置の際に家具を一緒に設置することもできますし、エアコンと家具を一緒に購入されるお客様にも、延長保証サービスが付与されていれば、長く商品を利用できます。
もし、購入した商品の中で問題があれば、タンタンショップに連絡さえすれば、どうにかなるという状況をつくりたかったのです。
弊社では、このようにお客様に家電と家具を複合的に提案できますし、家電だけでなく家具においても、お客様が長くお付き合いできる状態を作ることは、弊社の理想とする状況なのです。
protegerと他社の延長保証サービスの決定的な違いとは?
野尻:今までは他社の延長保証サービスを使っていたそうですが、どうでしたか?
丹澤様:リニューアルの前に利用していた他社の延長保証サービスでは、商品ページに「延長保証サービス」を表示することができず、カートイン後の購入の最後に「延長保証サービスに入りますか?」という選択肢をユーザーに表示していました。
購入前の商品ページ自体に延長保証サービスを提示できないため、延長保証サービスの保証加入率がいまいち伸びなかったのです。
protegerは、商品ページ、つまり購入前に延長保証サービスを表示できるので、ユーザーは延長保証サービスを十分に検討してから商品を購入できるため、保証加入率に大きく影響するはずです。ですから、リニューアルオープン後の延長保証サービスの保証加入率が楽しみです。
野尻:我々のprotegerの特徴の一つが、保証加入率が高いことと、丹澤様のようにSKUの多い商品を展開している場合は管理工数が低いことです。EC担当者にとっては管理が手離れするので喜ばれております。
延長保証サービスprotegerのメリットとは?
野尻:ここで、protegerの特徴や加盟店さんのメリットについて私から解説します。
私たちは、大手の保険会社と一緒に延長保証サービスを提供しています。ですから、保険会社と一緒に制度設計や制度運営をしており、保証APIによってサービスの作りこみを徹底して実施し、ユーザーが買った商品が壊れた際には随時保証申請の対応も行っています。
修理に関してはパートナー含めて全国に400拠点あって、商品が壊れた時に迅速に対応できるのが強みです。弊社ではモノが壊れた時こそ、ユーザーが保証に感動するような「体験の磨き込み」を徹底して行っているのです。
延長保証サービスの話となると、このような購入後のメリットのために検討する事業者が多いのですが、弊社では大手のショッピングモールにもサービスを提供しているのですが、延長保証サービスの導入後にCVRが平均で1.4倍も改善しており、このように売上に直結する大きなメリットもあるのです。
また、我々のサービスは初期費用や月額固定費を一切いただいておりません。商品を購入し、延長保証サービスに加入したお客様からわずかな保証料をいただいて利益を得ており、その利益はタンタンショップ様のような加盟店に還元しているのです。
現在、ECサイトのマーケティングにおいてCPAや獲得コストが非常に高騰しているので、利益が還元されることは加盟店さんにも大きなメリットがあります。
そして、protegerの延長保証の加入者はリピート率が2倍になるというデータもあります。延長保証に入る方は、ECサイトへのロイヤリティが高い傾向にあることがわかりました。
いろいろとprotegerのメリットを解説させてもらいましたが、丹澤様はどのようなメリットを強く感じたのでしょうか?
丹澤様:メリットはいろいろ感じていますが、家電は利幅が厳しい業界となりますので、延長保証サービスの利益が還元されるのは、利益率の面からも非常に嬉しい話であります。
延長保証サービスprotegerの保証加入率が高い理由とは?
野尻:延長保証サービスprotegerは、エンドユーザー様もカンタンに加入できますし、延長保証サービスをユーザーに何度もアピールするタイミングがあります。
もし、購入前の商品ページで延長保証サービスへの加入をユーザーが見逃しても、ECサイトにポップアップ画面を表示しており、あわせて購入前後に最大で4回もユーザーに延長保証サービスをアピールするタイミングがあり、ユーザーとのタッチポイントが非常に多いです。
しかもユーザーはたった2クリックで保証に加入できます。このような顧客接点の工夫こそが、加入率の高さに関わっているのだと思います。
以前、弊社がエンドユーザーにアンケートを行った際、延長保証サービスの加入率は約32%というデータがあります。ユーザーとしては突発的な故障による損失を防ぎたいというニーズや、円安で物価が高くなっているので、1つの商品を長く使いたいというニーズも高まっているのだと感じています。
protegerを導入した家電ショップによっては、50~60%も延長保証サービスに加入するケースもあり、2人に1人は延長保証サービスを選んだことになります。
protegerは、家電に限らず様々なカテゴリーに延長保証を提供しており、ゴルフサイトや家具などの耐久消費財でご契約をいただいております。
また、延長保証サービスというと高価な耐久消費財ばかりをイメージするかもしれませんが、家電製品以外ではバックやポーチなどにも導入しているケースがあります。弊社クライアントのコスメ業界のポール&ジョー様も導入しており、例えば3,000円の商品に300円の延長保証がECサイトで選択できます。
このような低額商品でも、ユーザーの中には壊れたり買いなおしたりすることを危惧する方がいるのです。
そして何より、延長保証サービスは公式サイトの付加価値を高め、ブランド価値を向上するために導入されている企業が多いのです。
管理工数がかからないことが延長保証サービスprotegerのメリット
野尻:弊社のクライアントのアプライド様の事例を紹介します。
弊社のお客様に、上場企業のアプライド様がおり、PCやPCパーツを取り扱っていますが、延長保証サービスの加入率は62%にも上っております。
アプライド様の商品は40万SKUもあるのですが、以前は商品登録の度に、保険会社や保証会社に確認をする必要があり、これに大変な時間と労力がかかっていたとのことです。
しかし、弊社のprotegerを導入してからは、10万アイテムの審査も一週間を待たずに済むようになりました。サイトからAPIで直接連携されているため、審査の工程が非常にスムーズなのです。
タンタンショップさんもSKUが多いので、この点は非常に改善されるはずです。
なぜ、このように審査が早いかというと、通常ですと1社ごとに延長保証サービスの立ち上げをしなければならず、それには9ヵ月から1年も導入に時間がかかりますが、protegerでは、弊社の延長保証の仕組みのバスケットに加盟店様が入るイメージであり、保証APIによる加盟店様とのつなぎこみにより管理工数がかからないのが大きなメリットなのです。
商品数が多いと管理工数がかかります。そうなると「延長保証のついている商品」と「ついていない商品」を区別する必要があり、そのような状態だとヒューマンエラーが発生しやすくなります。
このように管理工数がかからないという点も、アプライド様から高い支持を得ているのです。
丹澤様:弊社のタンタンショップのリニューアルでも、延長保証サービスをスムーズに導入できました。さらに審査がすごく早かったのでprotegerのサービスには驚いています。
野尻:タンタンショップの保証加入率は最低でも30%以上、そして60%を目指していきたいと考えていますので、ご期待ください!
タンタンショップがproteger に期待することは?
野尻:protegerに期待することは何ですか?
丹澤様:商品ごとに保証年数を変更していただいた点は、CVRにどのように影響するのか楽しみです。例えば「1年」「2年」と保証年数を選べるのが良いのかをprotegerさんに相談しましたが、そのとき「3つほど選択肢があれば良い」と教えていただきました。
また、弊社の主力商品のエアコンの保証年数は長い方が良いとアドバイスをいただき、そのように実装し柔軟に対応していただきました。
protegerさんは、このようにユーザーに対する付加価値の提供を共に進めるパートナーであることは間違いなく、今後もprotegerさんに期待しております。
野尻:ありがとうございます!エアコンや高い家具、住宅設備だと、保証年数が長いものがユーザーから好まれる傾向にあります。
また、美容家電は3年程度が好まれたり、あるいは、お客様の引越しのタイミングでの家電や家具の購入時は、賃貸契約の場合はそれに合わせて短いサイクルが好まれたり、保証の加入率のデータを今後は詳細に分析していきたいと考えており、さらに加盟店様の満足度を上げていきたいと考えています。
新サービス WEBアクセシビリティのユニバーサルウェブとは?
野尻:2023年12月より新サービスを開始します。WEBアクセシビリティのユニバーサルウェブというサービスです。
WEBアクセシビリティには、全ての人が平等にWEBサービスを使えるようにするという定義があります。高齢者には文字を読みやすくし、色盲の方であればWEBページの色を変えたりするなど、つまり全ての人に不自由がないように使えるWEBサービスのことです。
2024年4月1日から法律が改正され「合理的配慮の提供」という法律が、努力義務から法的義務となります。
環境の配慮としてWEBアクセシビリティに対応しなくてはなりません。海外では、WEBアクセシビリティは企業にとっては法的に義務化されており、順守していない企業が訴訟問題となっているケースもあります。
このサービスを、全ての日本企業はたった5~6ヵ月で対応しなくてはなりませんが、改修費用が心配だと思います。
しかし、我々のサービス「ユニバーサルウェブ」を利用していただければ、GoogleアナリティクスのようにHTMLのHeaderに1タグを埋め込むだけで、音声を読み上げたり色を変えたり、ユーザーがサイト上で自ら調整することが可能となり、WEBアクセシビリティ対応をカンタンに実施することができるのです。
全てのぺージがWEBアクセシビリティ対応し、Web Content Accessibility Guidelines(WCAG)2.0というアクセシビリティの規格に準拠することができるのです。この機会に、ぜひ皆さまも弊社サービスをご検討ください。
最後に
野尻:丹澤様の今後の展望は?
丹澤様:タンタンショップでは、各メーカー様と協力して安心して購入できるサイトを目指しており、付加価値の提供を目指しながら成長していきたいと思います。
野尻:ありがとうございます。弊社の展望も最後に合わせて申し上げます。
protegerは、ECサイト向けに延長保証サービスを提供していましたが、2023年12月から店舗向けの延長保証サービスも提供し、全国30店舗で延長保証サービスのオムニチャネルがスタートします。
今後は、ECでも店舗でも安心して利用できる延長保証サービスを目指していきますので、よろしくお願いいたします。