最新版AppleCare+の料金は月580〜1740円
AppleCare+(アップルケアプラス)は、Apple製品を購入した際に加入を勧められる保証サービスですが、AppleCare(アップルケア)との違いや、保証内容や料金についてあまり詳しくわからないという方も多いと思います。
Apple製品にはiPhoneをはじめ、MacやiPad、AppleWatchなど様々な製品があり、各種モデルやバージョンによって保証料金(加入料金)や修理料金が変わってきます。
例えば、iPhoneの主力機種におけるAppleCare+の加入料金は、月払いの場合は月額580円〜1,740円が相場となっており、機種によって料金は異なります。
家電量販店で提供されているような一般的な保証サービスと比べると、加入料金は高めで修理も基本的に有料であることから、Appleの保証サービスは「結局お金がかかる」といった印象があり、加入のハードルが高いと感じてしまうかもしれません。
しかし、加入していない場合の修理料金や手厚いサポート内容など、AppleCareを詳しく知っていくことで、実は加入すべきメリットが大きいサービスであることがわかります。
本記事では、実際にAppleCare+に加入している筆者の体験も踏まえて、サービスの内容や料金、また加入のメリット・デメリットについて詳しく解説します。
※本記事記載の料金は2022年7月の値上後の金額です。
AppleCare(アップルケア)とAppleCare+(アップルケアプラス)の違い
まず、AppleCareと聞くと「Apple製品につく保証サービス」という程度の認識の方も多いのではないでしょうか。
厳密にはAppleの保証サービスには「AppleCare」と「AppleCare+」の2つがあります。両者の違いを簡単に説明します。
・AppleCare(アップルケア)
Apple製品を購入すると自動的に付いてくる無料保証サービスです。
サービス内容は、製品購入後1年間の自然故障時の製品交換保証と、90日間の無償テクニカルサポート(電話)となります。(Apple Watch EditionとApple Watch Hermèsのみ、購入後2年間の製品交換保証と無償テクニカルサポート)
・AppleCare+(アップルケアプラス)
プラスで費用を支払うことで保証期間を2年間に延長し、より手厚い保証やサポートを受けることができる任意加入のサービスです。
◆AppleCareとAppleCare+の違い
AppleCare+の具体的なサービスには
・Apple認定技術者によるサポート
・テクニカルサポートへの優先アクセス
・過失や事故による損傷に対する修理などのサービス
・バッテリーの修理保証
などがありますが、製品によって保証内容や支払いプランは異なります。
本記事では、Appleの延長保証サービスであるAppleCare+を中心に、詳しく解説していきます。
AppleCare+の加入料金と修理料金
まずは、AppleCare+の加入料金と修理にかかる費用がどのくらいなのかについて、製品ごとにまとめましたのでご覧ください。(代表的なモデルに限定)
◆AppleCare+ for iPhone
◆AppleCare+ 盗難・紛失プラン
◆AppleCare+ iPad
◆AppleCare+ for Apple Watch
◆AppleCare+ for Mac
※AppleCare+加入時の修理金額のみ記載
◆AppleCare+ for Apple Display
※AppleCare+加入時の修理金額のみ記載
◆AppleCare+ for Headphones
◆AppleCare+ for Apple TV
◆AppleCare+ for HomePod
各製品の一部モデルに限定して記載してまとめましたが、このように、同製品でもモデルやバージョンによって加入料金や修理料金が異なります。
AppleCare+に加入しても修理に関しては基本的に有料となりますが、加入していない場合の修理料金を見るとかなり高額になっていることがわかります。
上記の表以外の製品の修理料金については、Appleの公式サイト上で簡易的な見積もりが取れるので、確認してみてください。
加入料金については、2年ないし3年の有効期限のあるサービスでしたが、現在では月額払いにも対応しており、解約しない限りは保証を延長していくことができます。
また、2年(3年)の一括払いを選択しても、期限が切れた後は月額払いに切り替えて保証を延長していくことが可能です。
iPhoneでは2つの保証プランが選べる
各Apple製品のAppleCare+は、支払い方法でプランを選択する形になりますが、iPhoneについては、支払い方法のほかに保証内容でも下記2つのプランが選択できます。
① AppleCare+ for iPhone
② AppleCare+ 盗難・紛失プラン
両プランのサービスの違いは下記の通りです。
◆iPhoneの2つの保証プランの内容
つまり、AppleCare+ for iPhoneに盗難や紛失に対する保証が付与されたものが、AppleCare+ 盗難・紛失プランになります。各サービスは下記の特別価格で受けられます。
◆各サービス料金
・画面または背面ガラスの損傷:3,700円(税込)
・過失や事故によるそのほかの損傷:12,900円(税込)
・盗難または紛失:12,900円(税込)
両プランの違いは、iPhoneをなくしてしまった際の保証の有無だけなので、その心配さえなければAppleCare+ for iPhoneで十分です。
ただ、筆者は過去にiPhoneの紛失と盗難をどちらも経験しております。紛失した際はAppleCare+に加入していなかったため、新しく端末を購入するのに9万円の出費がかかってしまいました。
また、盗難にあった際は、前回の反省からAppleCare+ 盗難・紛失プランに加入していたため、12,900円の出費で新品のiPhoneを購入することができました。
この経験から、加入していて本当に良かったと思いましたし、今後も機種変更の際には、引き続きAppleCare+ 盗難・紛失プランに加入するつもりです。
両プランの差額が、月額払いであれば160円、2年払いであれば3,000円とそれほど大きな差はないので、筆者としては、万一のことを考えればAppleCare+ 盗難・紛失プランに加入しておくことをおすすめします。
AppleCare+のメリットとデメリット
では次に、AppleCare+に加入する際のメリットとデメリットについて解説します。
ユーザーの使い方や使用環境によってメリットやデメリットの捉え方は変わりますが、概ね下記のような点が挙げられます。
◆AppleCare+に加入のメリットとデメリット
AppleCare+のメリットについて
Apple製品は世界はもとより日本国内でも人気が高く、iPhoneに関して言えば、スマートフォン利用者の50%がiPhoneを利用しています。
参考:メイン利用スマホのOSシェア、iPhoneが50.0%、Androidが49.7% オンライン専用プラン・キャリアサブブランドはiPhone、MVNOはAndroid利用率が高い傾向(MMD研究所)
これだけ多くのユーザーがいることもあってのことか、カスタマーサポートは常時混み合っており長く待たされることが多いため、優先的に電話サポートを受けられるのはありがたい点です。
また、筆者はiPhoneを使用していますが(AppleCare+加入済み)、先日不注意で落としてしまった際に背面ガラスが割れてしまいました。早速、修理の予約をしてAppleストアに行きましたが、平日の昼間だったのにも関わらずサポートフロアはかなり混雑しており、かなりの時間待たされてしまいました。
スタッフの方に聞いたところ、ストアで修理にかかる時間はAppleCare+加入者も非加入者も変わらないとのことでした。
ただ、同時に「AppleCare+に加入されているので、お時間がなければエクスプレス交換サービスを利用すれば、無料で新品端末を自宅にお届けします」という提案ももらいました。普段なかなか時間が取れない方であれば、このサービスはかなり有用でしょう。
また、金額面については、Apple製品のような独自技術あるいは独自規格の機器は、修理費用が特に高額になりやすい面があります。
特にiPhoneを紛失してしまった場合、AppleCareに加入していれば、12,900円で新品を購入できますが、通常であれば数万〜十数万かかることを考えれば、修理・交換が格安になるのは非常に大きなメリットと言えます。
上でも述べた通り、筆者は先日Appleストアで背面ガラスの修理をお願いしましたが、修理代は3,700円でした。これがAppleCare+に加入していない場合は、6万を超える金額がかかってしまうのです。
以下は、修理してもらった際の明細です。
◆筆者のiPhoneの背面ガラス割れ修理の明細
上記の通り、通常の修理金額が61,636円と記載されていることがわかります。
若い方の中には、iPhoneの画面や背面のひび割れを放置して使用している方をよく見かけますが、ひび割れ修理でこれだけの費用がかかるとなると「次の機種変更までこのままにしておこう」と考えるのも無理はないかと筆者は感じました。
ちなみに、以下は筆者のiPhoneの修理前後の写真です。背面ガラスの損傷は基盤ごと交換するので、このように新品同様で手元に戻ってきました。
◆筆者のiPhoneの修理前と修理後
AppleCare+のデメリットについて
一方でデメリットは、修理や交換費用が安いとは言っても、結局のところ全体的にコストがかかってしまう点につきます。
最も発生しやすいiPhoneの画面割れの修理も有料ですが、後述するモバイル保険であれば、ほとんどの場合自己負担金はかかりませんし、通信キャリアの保証も条件によって無料のものがあります。
エクスプレス交換サービスの利便性や、Apple社自身による保証という安心感はメリットとして大きいのですが、やはりできるだけ金額を抑えたいという方は、iPhoneやiPadといったモバイル通信機器については、次に解説する他社の保険や保証サービスを検討してみても良いでしょう。
iPhoneのAppleCare以外の保証サービス
現在では、メーカー以外からも様々なモバイル保証・保険サービスが提供されています。代表的なものは、通信キャリアが提供するキャリア保証と、保険会社が提供するモバイル保険(スマホ保険)です。
+αのサービスがつく「キャリア保証」
キャリア保証は、docomo、au、Softbankといった通信キャリア会社が提供しており、ユーザーが契約しているキャリアでしか契約できない保証サービスです。
3社が提供しているサービスは下記になります。
・docomo:「smartあんしん補償」
・au:「故障紛失サポート with AppleCare Services & iCloud+」
・Softbank:「あんしん保証パック with AppleCare Services」
docomoの「smartあんしん補償」は、修理代金がiPhone購入から1年間は無料、2年目以降でも修理代の上限は5,500円という保証内容です。
auの「故障紛失サポート with AppleCare Services & iCloud+」と、Softbankの「あんしん保証パック with AppleCare Services」は、保証内容はAppleCareと同等ですが、auの場合は紛失盗難補償とiCloudに+50GBのストレージが付き、Softbankの場合は修理金額全額相当分がPayPayポイントに付与されます。
このようにAppleCareのサービスに加えてキャリア独自のプラス特典が付いてきます。
参考:smartあんしん補償(NTTドコモ)、故障紛失サポート with AppleCare Services & iCloud+(au)、あんしん保証パック with AppleCare Services(Softbank)
リーズナブルで加入しやすい「スマホ保険」
保険会社が提供するスマホ保険には、下記のようなサービスがあります。
・SOMPOのスマホ保険(損保ジャパン)
・月々200円からのスマホ保険(日本生命)
・モバイル保険(さくら少額短期保険株式会社)
スマホ保険は、端末修理が発生した際に修理費用を補償するサービスです。1事故あたり最大10万円が補償されるのが一般的です。
月々の保険料は数百円で、サービスによっては複数端末の登録も可能なので、AppleCare+に比べるとかなりリーズナブルです。
ただし、バッテリーの自然劣化の交換はできないのと、店舗がないため対面によるサポートが受けられないといったデメリットもあります。
上に挙げた3社以外にもスマホ保険は多くの会社から提供されており、保険会社以外にも楽天やイオン、ヤマト運輸などもスマホ保険サービスを提供しています。
費用が高くてもAppleCare+に加入するべき理由
本記事では、AppleCareに費用やメリット・デメリットを解説しましたが、筆者としてはAppleCare+への加入をおすすめします。
その理由は下記の3点です。
① 万が一の時、加入していない場合の金額的負担が非常に大きい
② Apple専任技術者に安心して修理を任せられる
③ 非正規店で修理した場合、正規店での修理に条件が付いてしまう
先にも述べましたが、筆者は紛失や盗難、あるいは破損などでたびたびAppleCare+の保証サービスに救われている経験があります。
もちろん筆者自身が不注意である点は否めませんが、携帯電話のような小型の物は紛失や落としてしまうリスクは常にあります。
特に現行のiPhoneは、背面ガラスが採用されており非常に割れやすい材質になっていますので、リスクの割合を考えるとAppleCare+の加入は決して高い買い物ではないと筆者は考えます。
また、iPhoneの故障修理は非正規店でも請け負ってもらえますが、非正規店の中には技術レベルが低い業者も存在しており、修理に失敗してしまうケースもゼロではありません。
また、過去には非正規店で画面修理したiPhoneが操作不能になるというバグもありました。これは、非正規店のためApple純正の部品を使用しなかったことにより発生した問題です。
Apple正規店の専任スタッフは、修理や接客のトレーニングを受けているため修理の質が高く、公式の修理マニュアルを提供されているため確実な故障診断や修理ができます。
さらに、修理に使用する部品は当然Apple純正品、もしくはAppleから認められいる代替品のため、修理後も安心して使用することができます。
そして、非正規店で修理を行った場合のApple正規店での扱いですが、かつては非正規店で修理を行った場合、正規店での修理は受け付けてもらえませんでしたが、現在では正規店でも修理を請け負ってもらえるようになりました。
しかし、保証対象は故障の原因が他社製の部品以外であることが条件であったり、Lightningコネクタやメイン基盤、また他社製のバッテリーなどの修理は受け付けてもらえないことがあるようです。
以上のことを考えると、iPhoneはもちろんのこと、MacやAppleDisplayといった持ち歩くことの少ないデバイスについても、AppleCare+は加入しておくべきサービスだと筆者は考えます。
AppleCare+は決して高い買い物ではない
AppleCare+は一般的な延長保証サービスと比較するとやや高額な印象で、加入を迷う方も多いと思います。
しかし、スマートフォンやPCなどの精密機器は、使用していく中で紛失や破損・故障などのトラブルが起きやすく、その際の買い替え料金や修理料金も非常に高額になってしまうものです。
特にAppleのような独自性の高い製品は、純正部品でないと正常に動作しない可能性もあるため、非正規店での修理には少なからずリスクがあります。
そういった点から考えると、AppleCare+は決して料金が高いだけのサービスではなく、価格以上の恩恵があるサービスだと言えます。
世界的に原材料費が高騰し、様々な分野で製品価格や修理価格の値上がりが起きている昨今では、AppleCare+をはじめとした延長保証サービスは、よりニーズが高まってくるサービスでしょう。
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