顧客体験を向上させる延長保証サービスとは。ECサイトで導入・運用するメリットや注意点などを徹底解説

延長保証サービス
「延長保証サービス」とは、あらかじめ保証料を払っておくことでメーカー保証の終了後に一定期間、発生した不具合の交換・修理を無償で行うサービスです。メーカー保証期間の終了後、一定の間保証を延長して契約期間中に発生した自然故障や不具合時の交換、修理を無料で行うサービスのことだ。商品の購入者が対象商品の購入時に申込みを行うのが一般的で、対象商品によって保証プランや加入料金は異なる。
商品の故障には*自然故障と*物損故障があり延長保証提供者によってサービスの違いがあるので加入時には保証内容のチェックが必要です。
*自然故障とは、対象期間内の対象商品を取扱説明書どおりに使用しているにも拘らず発生した故障のことです。
*物損故障とは製品本体の内部からの要因ではなく、破損・外圧・水濡れ等の不測且つ突発的な外的要因に起因して発生した故障
延長保証サービスは商品の購入者にとって、「万が一故障しても、保証期間中は無償で修理を受けられる」「突発的な高額な修理料金が発生しない」「購入した製品は修理してでもなるべく長く間使いたい」などのメリットがある。延長保証サービスへの加入方法は、家電量販店での購入時の他、保証会社が提供しているサービスに購入者自身が加入するケースが多い。
延長保証の対象製品
家電、PC、家具、時計、アウトドア用品、ジュエリー、楽器、オーディオ製品、電動工具、自転車用品、カー用品、オーディオ機器、スポーツ用品、メガネ、サングラス、住宅設備機器、自動車などの耐久消費財が対象となります。
延長保証の対象外製品
食料品、化粧品などの消耗品などが対象外製品となります。
ECサイトでの延長保証の導入メリット
ECサイトでの商品購入者にとってメーカー保証期間の延長は購入後はもちろん、購入前の不安感を解き商品購入者の背中を押す一手となる。延長保証がどう顧客に良い影響を与えているのかを順にみてみましょう。
新規購入の障壁を和らげる
延長保証サービスの強化は、新規購入のハードルを下げる効果が期待できる。インターネットの普及により大きく発展しているECサイト。一方で、購入前に実際に商品を手に取って詳細を確認できないといったリアルな体験が劣ることから、購入を躊躇するケースも少なくない。
ECサイトでの商品購入時にめんどくささがなく延長保証サービスを選択できれば、不具合が生じたときに対応してもらえる、気に入った商品を長く使用できるといった安心感が得られ、新規購入の後押しとなるだろう。
現在延長保証サービスを提供させていただいてる株式会社Kivaのprotegerでは導入いただいた商品のCVRは導入前・導入後でCVRが昨対比で1.4倍向上している実例も出ています。
ブランドの信頼度向上
延長保証サービスがもたらす安心感は、顧客からの信頼度向上にもつながる。現在、D2Cなどで他にはない価値を提供されるサイトで延長保証はカテゴリーがフィットしていればマストな施策となってくるのではないでしょうか。
今後延長保証サービスという付加価値により顧客の満足度を高めることで、価格競争から脱却しても再度顧客から選ばれるブランドになっていくことが可能となります。
リピーター率向上
顧客の満足度を上げ信頼を獲得できれば、リピーター率の創出にもつながる。ECを通じた購買では、商品名やブランドの検索結果から表示されたサイトを比較して、どのサイトで商品を購入するかを選択するのが一般的だ。顧客の目的は目的の商品を購入することにあり、サイト名まで覚えてもらえないケースが多い。しかし、延長保証サービスが顧客接点として機能することで、サイト名を認識してもらいやすくなり、顧客の囲い込みに役立つのだ。延長保証非加入者と加入者ではリピーター率が2倍以上高いと言われておりブランドの顧客の囲い込みにも役立つ施策となる。
米ベストバイでは収益の2%以上を延長保証で稼ぎ出し、利益の50%以上を延長保証から生んでいるというファクトがある。Appleでは2021年に延長保証の売上だけで1兆円を超えたと言われています。店舗であれば、壊れた商品を修理に持っていく際に店舗への再来店のきっかけにもなりそこでまた、違う商品を買ってもらえるチャンスも増えるということである。
ECサイトに延長保証サービスを導入する方法
商品の延長保証サービスは、これまで上位1%の企業でしか提供されていませんでした。保証サービスを始め、運用するまでが複雑であり、かつUI・UXを磨き込んだものをブランド単体で提供していくのは現実的に難しいものがありました。そのような中で、ECサイトに延長保証サービスを導入する方法が近年登場してきている。
弊社では独自に保険会社と連携し、ECサイトにAPI連携させることで簡単に実装できる延長保証を提供している。それぞれの製品ごとに複数ある保険会社をマッチングしてサービスを提供する形態だ。リスクモデルの構築なども延長保証サービス提供会社が蓄積されたデータを元に最適な保証料を算出しています。
一方で、ECサイトとAPIにより連携し、独自の保証を提供しているサービスもある。購入者がECサイトでの決済時に延長保証サービスへの加入の可否を決定し、代金も支払う仕組みだ。
どちらのサービスも、ECサイト側は商品と一緒に保証プランを販売するだけで、延長保証の運営自体は代行会社が担ってくれる。購入者が支払う延長保証の代金によって運営が行われるため、ECサイト側は無料で延長保証サービスを付帯できるため、メリットが大きい。
延長保証サービスを導入する際の注意点
延長保証サービスを導入する場合には、消費者が安心して延長保証サービスに加入できるしくみを構築していくことが重要だ。延長保証サービスを付帯する際の注意点を確認しておこう。
対象外となる不具合を記載
延長保証サービスを受ける際は、対象外となる不具合について分かりやすい形で記載しておくことが大切だ。購入者にとって、どのような不具合の状況で保証サービスが適用されるのかが明確になれば、保証サービスに加入する際の判断材料となる。商品購入後に不明瞭な規約であるとお客様とのトラブルにもなりかねませんので場合によっては保険業法違反に抵触することもあるので設計から専門家に依頼をしていきましょう。
手続きフローの明確化
延長保証サービスの加入時と故障発生時の手続きフローを明確化することも意識したい。手続きの流れが分かりづらいとせっかく延長保証サービスを導入しても、購入者にとっては利用しにくいサービスとなる。ブランド毀損する可能性もあるため、手続きフローの可視化をするなどの工夫も重要だ。
とにかくユーザーファーストであるということを示すということが保証サービスを運営する上で大切になってくる。
実際に保証申請をしたら別の修理代金を請求されたなどという事例もあるので、お客様にとって一度購入した時の安心感のまま何か会った時にサービスを受けられるのが重要になってくる。
まとめ
一定期間、保証を延長して故障や不具合に対する交換・修理を無料で行う「延長保証サービス」。大切なものをより長く使いたいという昨今の購入者の思いから、ますます需要が高まるサービスと言えるだろう。そのような中で、延長保証といったアフターサービスの充実を図るサービスに対する注目度も増してきている。今後はブランド価値を高められるように、延長保証サービスの強化に取り組んでみてはいかがだろうか。